「厚底シューズが流行っているけど、初心者が履いてもいいの?」「種類が多すぎてどれを選べばいいのかわからない」そんな疑問を抱えているランナーの方は多いのではないでしょうか。
結論から言うと、厚底シューズにも種類があり、初心者OKなクッション系と上級者向けのカーボンレース系は全くの別物です。自分のレベルに合った厚底を選ばないと、せっかくのシューズが逆効果になってしまうこともあります。
この記事では厚底シューズが流行った背景から、メリット・デメリット、レベル別のおすすめ5モデル、そして初心者が選ぶ際の注意点まで詳しく解説します。正しい知識を持って、自分にぴったりの厚底シューズを見つけてください。

厚底シューズが流行った理由
キプチョゲの2時間切り挑戦がきっかけ
厚底ブームの火付け役となったのが、2019年にエリウド・キプチョゲ選手がナイキの厚底シューズでマラソン2時間の壁を破ったことです。それまでランニング界では「薄底=速い」が常識でしたが、この快挙によって価値観が一変しました。
その後、箱根駅伝でもナイキの厚底を履く選手が続出し、区間新記録が次々と生まれたことで市民ランナーの間にも厚底ブームが広がりました。現在ではナイキだけでなく、アシックス、アディダス、ニューバランスなど各メーカーが厚底モデルを投入しています。
厚底シューズのメリット・デメリット
メリット
衝撃吸収力の高さが厚底最大のメリットです。厚いミッドソールが着地時の衝撃を吸収してくれるため、膝や足首への負担が軽減されます。長距離を走る際の脚へのダメージが少なく、後半のペース維持がしやすくなります。
カーボンプレート搭載モデルではさらに反発力が加わり、プレートの弾力がエネルギーリターンとして推進力に変換されます。少ない力で前に進めるため、エネルギー効率が大幅に向上するのが特徴です。
デメリット
一方でデメリットもあります。ソールが厚い分、足首が不安定になりやすく、特に路面が不均一な場所では捻挫のリスクが高まります。接地感が薄いためフォームが崩れやすく、自分の走り方のクセに気づきにくい点も注意が必要です。
カーボンプレート搭載モデルは十分な筋力がないランナーが使うと、シューズの反発に体がついていけず、かえってケガにつながることもあります。また、レース用の高性能モデルは耐久性が低めで、300km程度で反発力が低下するものもあり、コストパフォーマンスの面で気になる方もいるでしょう。
おすすめ厚底シューズ5選
1. HOKA Clifton 9【初心者向けクッション厚底】
カーボンプレートなしの純粋なクッション系厚底シューズです。HOKAのマシュマロのような柔らかいクッション性と安定感を兼ね備え、初心者でも安心して履けます。「厚底の快適さをまず体験してみたい」という方にまずおすすめしたい一足です。
重量は約250gと軽量で、デイリートレーニングからハーフマラソンまで幅広く対応します。カラーバリエーションも豊富で、見た目の楽しさもあります。
2. アシックス GEL-NIMBUS 26【安定性重視の厚底】
アシックス独自のGELテクノロジーとFF BLAST PLUSフォームの組み合わせにより、厚底でありながら高い安定感を実現しています。足首に不安がある方や、安定感を最優先にしたい方におすすめです。日本人の足型に合わせた設計もアシックスならではの強みです。
3. ナイキ ヴェイパーフライ 3【最速レースシューズ】
カーボン厚底の代名詞ともいえるモデルです。ZoomXフォームとカーボンファイバープレートの組み合わせが生み出す推進力は圧倒的で、サブ3.5以上を目指す中上級者のレース専用シューズとして不動の人気を誇ります。
ただし初心者がいきなり履くのは非推奨です。十分な脚力とフォームが身についてから検討しましょう。ナイキ公式サイトで最新のカラーやサイズを確認できます。
4. アシックス MAGIC SPEED 4【コスパ良好レースモデル】
カーボン入り厚底の中では価格が手頃で、初めてのカーボンシューズとして最適です。サブ4レベルから使えるため、「カーボン厚底を試してみたいけど高価なモデルには手が出ない」という方にぴったりです。練習でもレースでも使える汎用性の高さも魅力です。
5. ニューバランス FuelCell SC Elite v4【高反発モデル】
FuelCellフォームとカーボンプレートの組み合わせにより、ナイキとは異なる走り心地を実現しています。足の自然な動きを活かした推進力が特徴で、接地時に足裏全体で地面を捉える感覚を好むランナーに支持されています。ニューバランス公式サイトでスペック詳細が確認できます。

初心者が厚底を選ぶ際の注意点
カーボン入りは中上級者向け
カーボンプレート入りの厚底は、プレートの反発力を推進力に変換するための十分な脚力とランニングフォームが必要です。筋力が不足した状態で使うと、反発に体がついていけずフォームが崩れ、膝や腰を痛める原因になります。
目安として、月間走行距離が100km以上で、10kmを安定して走れるようになってからカーボン入りモデルへのステップアップを検討するのが無難です。
試し履きは必ず行う
厚底シューズは通常のシューズと履き心地が大きく異なります。オンラインで購入する前に、できればランニングショップで実際に試し履きして、フィット感と安定感を確認しましょう。店内を歩くだけでなく、軽くジョグさせてもらえる店舗もあります。特に厚底はソールの高さに慣れが必要で、履いた瞬間に「合わない」と感じても走ってみると意外と快適なこともあります。逆にフィット感が良くても走ると安定感に欠けるケースもあるので、必ず動いた状態での確認が重要です。
慣れるまでは短い距離から始める
いきなりフルマラソンで厚底デビューするのは危険です。まず5kmから始めて、10km、ハーフマラソンと徐々に距離を延ばし、足を厚底の感覚に慣らしていきましょう。日本陸上競技連盟の公認大会ではシューズの厚さに規定があるため、レース前に確認しておくことも大切です。
まとめ
厚底ランニングシューズにはクッション系とカーボンレース系の2種類があります。初心者はHOKA CliftonやGEL-NIMBUSなどのクッション厚底から入り、脚力がついてきたらカーボン入りモデルにステップアップするのが正しい順序です。
自分のレベルに合った厚底シューズを選べば、ランニングの快適さとパフォーマンスが格段に向上します。正しい選び方で厚底の恩恵を最大限に活かしてください。迷ったときはランニングショップのスタッフに相談して、自分のレベルと目的に合ったモデルを提案してもらうのが最も確実な方法です。

