「フルマラソンって途中で歩いてもいいの?」そんな素朴な疑問を持っているマラソン初心者の方は少なくありません。答えはもちろんイエスです。初心者の目標はタイムではなく完走することそのものです。
歩いても止まっても構いません。42.195kmのゴールテープを切ればそれは立派なフルマラソン完走です。制限時間内にゴールにたどり着くことだけを考えれば良いのです。実際、多くの市民ランナーが途中で歩きを入れながらフルマラソンを完走しています。
この記事では、初心者がフルマラソンを走り切るための7つのコツと、レース当日の持ち物チェックリストを詳しく解説します。これらのポイントを押さえておくだけで、完走の確率は格段に上がるはずです。初マラソンの成功に向けて、しっかり準備していきましょう。
コツ1:前半は意識的に抑えて走る
初心者がフルマラソンで最もやりがちな失敗が「前半の飛ばしすぎ」です。大会の雰囲気に包まれると興奮してテンションが上がり、普段の練習よりも速いペースで走ってしまいがちです。しかし前半の貯金は後半の借金にしかなりません。
具体的には、目標ペースより1kmあたり30秒ほど遅いペースで前半を走ることをおすすめします。「こんなにゆっくりで大丈夫?」と感じるくらいがちょうど良いのです。周りのランナーに引っ張られて速くなりがちですが、自分のペースを守ることが完走への最大の近道です。特にスタート直後の1〜5kmは意識的にブレーキをかけるくらいの気持ちで走りましょう。ランニングウォッチのペースアラート機能を活用して、設定ペースを超えた時に振動で知らせてもらう方法も非常に効果的です。
コツ2:給水は早めにこまめに摂る
「喉が渇いてから水を飲む」では既に脱水が始まっています。最初のエイドステーションから少量ずつ水分を摂取していくことが大切です。水とスポーツドリンクを交互に飲むのが効果的で、一度に大量に飲むのではなく、コップ半分程度をこまめに摂るのがポイントです。
ポカリスエット公式サイトにはランナー向けの水分補給ガイドが掲載されており、レース中の水分摂取量の目安が確認できます。気温が高い日は特に注意が必要で、通常よりもこまめに給水ポイントで水分を補給しましょう。なお、水だけを大量に飲むとナトリウムが不足して低ナトリウム血症のリスクがあるため、スポーツドリンクとの交互摂取がベストです。

コツ3:エネルギージェルは30km前に摂る
マラソンの「壁」が来てからエネルギーを補給しても手遅れです。体がエネルギー不足に陥る前に先手を打つ必要があります。15km地点と25km地点の2回に分けてエネルギージェルを摂取するのが基本的な戦略です。
エネルギージェルは製品によって味や粘度が大きく異なります。本番で初めて使うと口に合わなかったり胃がもたれたりすることがあるので、必ず練習の段階で何回か試しておいてください。ジェルが苦手な方は、ラムネやようかんなど固形の補給食を使う方法もあります。自分に合った補給方法を見つけておくことが本番での安心感につながります。
コツ4:30kmの壁は全員に訪れる
30km地点を過ぎると急に足が重くなり、ペースが維持できなくなる現象。これがマラソンで有名な「30kmの壁」です。この現象は筋肉に蓄えられたグリコーゲンが枯渇する生理現象であり、初心者からエリートランナーまで程度の差こそあれ全員が経験するものです。
「壁は必ず来るもの」とあらかじめ知っておくだけで、精神的なダメージが大幅に軽減されます。「来るとわかっていれば怖くない」という心構えが大切です。30km以降はペースが落ちて当然なので、焦らずに1kmずつゴールに向かって進み続けることだけに集中しましょう。この区間をどう乗り越えるかがマラソンの醍醐味とも言えます。30km以降は無理にペースを維持しようとせず、「あと12km、あと10km」と残りの距離を小さく区切って考えるメンタルテクニックが有効です。
コツ5〜7:メンタルと準備で完走を引き寄せる
コツ5:歩くことを恥ずかしがらない
給水所やキツい坂道では歩いてOKです。むしろ計画的に歩きを入れることで後半に足を残すことができます。実はサブ5(5時間切り)くらいのランナーでも「走る→歩く」を繰り返しながら完走している人は非常に多いのです。エイドステーションでは水分を摂りながら歩いてリフレッシュし、補給が終わったらまた走り出すというリズムが効果的です。
コツ6:沿道の応援を力に変える
マラソン大会の沿道応援は走っている人にしかわからない特別な体験です。見知らぬ人が「頑張れ!」と声をかけてくれるだけで不思議と力が湧いてきます。恥ずかしがらずに手を振り返したり「ありがとう!」と声をかけ返したりすると、応援する側もさらに盛り上がってくれます。特にキツくなる後半は沿道の応援が最高のエネルギー補給になります。
コツ7:前日と当日の食事管理
レース前日はカーボローディング(炭水化物多めの食事)で筋グリコーゲンを満タンにしておきます。ただし脂っこいものや食べ慣れないものは胃腸トラブルの原因になるので避けてください。当日の朝食はレース3時間前に、おにぎりやパン、バナナなど消化の良い炭水化物中心のメニューを。味の素のスポーツ栄養ページにもレース前の食事について詳しい情報が掲載されています。

レース当日の持ち物チェックリスト
レース当日に忘れ物をすると取り返しがつかないことがあります。前日のうちに以下の持ち物を準備しておきましょう。チェックリストをスマホのメモに保存しておくと、毎回の大会で使い回せるので便利です。
- ゼッケン・計測チップ:忘れると出走できません。前日に受付で受け取ったらすぐにウェアに装着しておくのが安心です
- 履き慣れたランニングシューズ:新品は絶対NG。最低でも100km以上履き慣らしたシューズで走りましょう
- エネルギージェル2〜3個:練習で試して胃に合ったものを選んでおくこと
- ワセリン:太もも内側やわきの下など、擦れやすい部分に塗っておくと摩擦を防げます
- 絆創膏:男性ランナーは乳首の擦れ防止に必須。貼り忘れると出血することも
- 着替え・タオル:ゴール後の着替えと汗拭き用。防寒のための薄手のジャケットもあると便利
RUNNETにもレース準備ガイドが掲載されているので、初マラソンの方は事前にチェックしておくことをおすすめします。

まとめ
フルマラソン完走のコツは、前半を抑えて走ること、給水をこまめに摂ること、エネルギージェルを早めに補給すること、そして歩くことを恐れないこと。この4つを押さえるだけで完走の確率は格段に上がります。
30kmの壁は全員に訪れるものだと知っておくだけで心の余裕が生まれますし、沿道の応援は想像以上の力をくれます。しっかり準備をして、初マラソンの完走メダルを手にした瞬間の感動をぜひ味わってください。それは一生忘れられない体験になるはずです。

