「走るとすぐ息が上がっちゃうんだけど、呼吸の仕方が悪いのかな?」
ランニング中にすぐ息が上がってしまう方、実はとても多いんです。原因はペースが速すぎるか、呼吸法が非効率的かのどちらかであることがほとんどです。
正しい呼吸法を身につけるだけで、同じペースでも驚くほど楽に走れるようになります。この記事では、ランニング中の呼吸リズムから息切れを防ぐコツ、日常でできる呼吸トレーニングまで詳しく解説していきます。

ランニングの基本的な呼吸リズム
まずは、ランニング中にどんなリズムで呼吸すればいいのかを押さえておきましょう。ペースに合わせて使い分けるのがポイントです。
2拍子呼吸(スースー・ハーハー)
2歩で吸って、2歩で吐く「スースー・ハーハー」のリズムが最もスタンダードな呼吸法です。多くのランナーが無意識にこのパターンで走っています。通常ペースからやや速いペースまで、幅広い場面で使えます。キロ5分〜6分台のペースならこの2拍子呼吸で十分に対応できるため、まずはこのリズムを身につけるところから始めましょう。
3拍子呼吸でリラックスラン
ゆっくりペースのジョグなら「スースースー・ハーハーハー」の3拍子呼吸もおすすめです。3歩で吸って3歩で吐くゆったりしたリズムで、リラックスして走りたいときや回復ジョグの日に最適です。呼吸に余裕があるときは3拍子を選ぶと、無駄に体力を消耗しません。
ペースが上がったら1拍子に切り替え
レースの終盤やインターバル走など、ペースが上がって呼吸がキツくなったら「スー・ハー」の1拍子に切り替えましょう。1歩で吸って1歩で吐くリズムです。ただし、このリズムを長時間続けるのは体への負担が大きいので、一時的な使用にとどめてください。
呼吸で意識すべき重要ポイント
「吐く」ことを強く意識する
多くの方が「しっかり吸おう」と意識しますが、実は大事なのは吐く方です。しっかり息を吐き切ることができれば、新しい空気は自然に深く吸い込めます。吐くときにお腹を凹ませるイメージで、肺の中の空気をしっかり追い出してください。特に坂道や後半でキツくなったときほど、「吐く」に集中するだけで呼吸が楽になるのを実感できるはずです。
口呼吸で問題なし
「鼻呼吸が正しい」という情報を見たことがある方もいるかもしれませんが、ランニング中は口呼吸で全く問題ありません。鼻だけだと酸素の取り込み量が追いつかず、かえって苦しくなります。口と鼻の両方を使って、十分な酸素を取り込むのが正解です。
腹式呼吸を取り入れる
胸だけで浅く呼吸するよりも、お腹を使った腹式呼吸の方が多くの酸素を取り込めます。順天堂大学のスポーツ医学研究でも、腹式呼吸がランニングパフォーマンスの向上に効果的であると報告されています。横隔膜をしっかり使って呼吸することで、一回の呼吸で取り込める酸素量が増えるのです。
息切れを防ぐための具体的なコツ
ウォーミングアップを5分以上行う
いきなり走り始めると、体が酸素供給に追いつきません。最初の5分はゆっくり歩くか軽いジョグで体を慣らしましょう。ウォーミングアップ中に呼吸が整ってから本格的なペースに入ると、息切れしにくくなります。ウォーミングアップの間に深呼吸を数回挟むと、肺に十分な酸素が行き渡り、体が有酸素モードにスムーズに移行できます。
ペースを見直す勇気を持つ
息が上がるのは、単純にペースが速すぎるケースが非常に多いです。「隣の人と会話できるペース」が有酸素運動の適切なペースと言われています。走りながら普通に話せなければ、思い切ってペースを落としましょう。遅くても走り続けることの方が、息を切らして立ち止まるよりもずっとトレーニング効果が高いです。
肩の力を抜いてリラックス
肩に力が入ると胸郭(きょうかく)が狭くなり、呼吸が浅くなってしまいます。走っている途中で定期的に肩をストンと落としてリラックスする癖をつけましょう。NSCA Japanの指導ガイドラインでも、ランニング中のリラックスの重要性が強調されています。
姿勢を正して胸を開く
猫背で走ると胸が圧迫されて呼吸が浅くなります。背筋を伸ばして胸を軽く開いた姿勢を意識しましょう。視線は足元ではなく、15〜20m先の地面を見るイメージです。姿勢が良くなるだけで呼吸がグッと楽になりますよ。


日常でできる呼吸トレーニング
走らない日でも呼吸力を鍛えることができます。日常的に取り組むことで、ランニング中の呼吸がどんどん楽になっていきます。
4-7-8呼吸法
仰向けに寝て、お腹に手を当てた状態で行います。4秒かけて鼻から吸い、7秒間息を止めて、8秒かけて口からゆっくり吐きます。この呼吸法を毎日5分間続けるだけで、呼吸が深くなり肺活量の向上が期待できます。就寝前に行うとリラックス効果もあり、睡眠の質も上がります。
腹式呼吸の練習
椅子に座った状態でもできる簡単なトレーニングです。鼻から息を吸うときにお腹を膨らませ、口から吐くときにお腹を凹ませます。デスクワークの合間や通勤電車の中でもできるので、毎日の習慣にしやすいのがメリットです。1日3〜5分の腹式呼吸の練習を2週間ほど続けると、走っている最中でも自然と腹式呼吸ができるようになってきます。
動画を活用して正しいフォームを学ぶ
YouTubeで「ランニング 呼吸法」と検索すると、プロのランニングコーチによる実演動画がたくさん出てきます。文字だけでは伝わりにくい呼吸のタイミングや体の使い方を、映像で確認できるので併せて活用しましょう。
まとめ
ランニングの呼吸法は「吐く」を意識するのが最大のポイントです。呼吸リズムはゆっくりペースなら3拍子、通常ペースなら2拍子を基本にして、ペースに合わせて切り替えましょう。
口呼吸はOK、腹式呼吸がベストです。息切れするならペースを落とすのが一番効果的な対策であり、4-7-8呼吸法や腹式呼吸の練習を日常的に行うことで、走らない日も呼吸力を鍛えることができます。
正しい呼吸法を身につければ、同じ体力でもっと楽に、もっと長く走れるようになります。今日のランニングから早速意識してみてください。呼吸のコツは一朝一夕では身につきませんが、意識して走ることを繰り返すうちに自然と体が覚えてくれるので、焦らず取り組んでいきましょう。

