山道や林道を走るトレイルランニングは、ロードランニングとは異なるシューズ選びが必要です。岩場・泥・木の根など不安定な路面を安全に走るために、グリップ力やプロテクション性能に優れたトレイルランニングシューズは欠かせないアイテムです。
この記事では、トレイルランニングシューズの選び方から、初心者向けのエントリーモデルから上級者向けのレースモデルまで、おすすめのシューズを用途別に詳しく紹介します。

トレイルランニングシューズとロードシューズの違い
トレイルランニングシューズは、ロード用のランニングシューズと比べて以下の点が大きく異なります。
グリップ力(アウトソール)
トレイルシューズの最大の特徴は、深いラグ(突起)がついたアウトソールです。岩場や泥道、濡れた木の根の上でも滑りにくい設計になっており、不安定な路面でしっかりと地面をとらえます。ロードシューズのフラットなソールとは根本的に構造が異なります。
プロテクション性能
山道には尖った石や木の根が多いため、トレイルシューズには足を保護するためのロックプレートやバンパーが装備されています。足裏や爪先を岩などの衝撃から守ってくれるため、安心して走ることができます。
安定性とフィット感
不整地を走るトレイルランでは、足首の捻挫リスクが高くなります。トレイルシューズはミッドソールやアッパーの構造で横方向の安定性を高めた設計になっており、下りの急斜面やガレ場でも足元がぐらつきにくい仕様になっています。
- トレイルシューズはグリップ・プロテクション・安定性がロードシューズと大きく異なる
- ロードシューズで山道を走ると滑りやすく危険
- トレイルランを始めるなら、まず専用シューズを用意しよう
トレイルランニングシューズの選び方
走るフィールドで選ぶ
トレイルランの路面は一律ではなく、林道のような比較的走りやすいトレイルから、岩場が続くテクニカルなコースまでさまざまです。走るフィールドに合わせてシューズを選ぶことが大切です。
- 林道・ハイキングコース中心 → ロード兼用タイプでもOK
- 岩場・ガレ場が多い → テクニカル向けのグリップ強化モデル
- 泥道・ぬかるみが多い → 深いラグのモデル
レースの距離で選ぶ
トレイルレースは10km程度のショートレースから100マイル(160km)以上のウルトラトレイルまであります。短距離レースには軽量性重視のモデル、ロングレースにはクッション性と耐久性を兼ね備えたモデルが適しています。
防水性能の有無で選ぶ
GORE-TEX(ゴアテックス)などの防水メンブレンを採用したモデルは、雨天時や水たまりの多いコースで足が濡れにくいのがメリットです。ただし、通気性はやや劣るため、夏場や晴天時には通常モデルの方が快適に走れます。

おすすめトレイルランニングシューズ
初心者向け:ロード兼用モデル
ナイキ ペガサス トレイル 5:ロードでも使える汎用性の高いトレイルシューズです。ReactXフォームのクッション性とトレイル用アウトソールのグリップ力を兼ね備えており、トレイルランを始めたばかりの方に適しています。ロードとトレイルを織り交ぜたコースにぴったりです。
ホカ チャレンジャー 8:ホカの定番ロード兼用トレイルシューズです。厚いクッションで足を保護しつつ、適度なラグでトレイルのグリップも確保しています。GTX(ゴアテックス)モデルもラインナップされており、雨天にも対応できます。
中級者向け:万能トレイルモデル
サロモン スピードクロス 6:トレイルランニングシューズの定番中の定番です。深いラグが泥道や急斜面で抜群のグリップ力を発揮し、多くのトレイルランナーに支持されています。フィット感の良さも魅力で、足がシューズの中で遊びにくい設計です。
サロモン センスライド 5:スピードクロスよりもクッション性を重視したバランスモデルです。ロングトレイルでも足への負担が少なく、オールラウンドに使えるため「1足だけ選ぶなら」というランナーに人気があります。
ラ・スポルティバ ミュータント:テクニカルなトレイルに対応する万能シューズです。岩場でのグリップ力と安定性に優れており、山岳レースでの使用実績も豊富です。
上級者向け:レース・ウルトラトレイルモデル
アルトラ オリンパス 6:ゼロドロップ設計で自然な足運びを実現するウルトラトレイルシューズです。厚いクッションが長時間のレースで足を守り、100マイルレースでも使用されるほどの実績があります。足指を自然に広げられるフットシェイプデザインも特徴です。
サロモン S/LAB Ultra 3:ウルトラレースのための最高峰モデルです。軽量性とプロテクション、グリップ力を高次元でバランスさせた一足で、100km以上のウルトラトレイルレースで多くの上位入賞者が着用しています。
アシックス FUJISPEED 4:アシックスのトレイルレース向けモデルです。FF BLASTフォームとカーボンプレートを搭載し、ロードランニングシューズのような反発力をトレイルで発揮します。スピード重視のショートレースに適しています。

トレイルランニングシューズのお手入れ方法
トレイルシューズは泥や砂利にまみれることが多いため、適切なお手入れで寿命を延ばしましょう。
使用後のケア
- 走った後は、水でアウトソールの泥を洗い流す
- アッパーは柔らかいブラシで汚れを落とす
- 中敷き(インソール)を外して乾燥させる
- 直射日光を避け、風通しの良い場所で陰干しする
洗い方のポイント
洗濯機は使わず、手洗いが基本です。ぬるま湯と中性洗剤を使って優しく洗い、しっかりすすいでから陰干ししましょう。ゴアテックスモデルの場合は、防水性能を維持するために専用の撥水スプレーを使うのがおすすめです。
トレイルランニングシューズに関するよくある質問
ロードシューズでトレイルを走ってはいけませんか?
短い林道程度なら走れますが、岩場や泥道ではグリップが足りず滑りやすくなります。安全のためにも、本格的なトレイルを走る場合は専用シューズを使いましょう。
トレイルシューズでロードを走ってもいいですか?
走れますが、アウトソールのラグがアスファルトで早く摩耗するため、あまりおすすめしません。ロードとトレイルを両方走る場合は、兼用タイプのシューズを選ぶか、2足体制にするのが理想です。
防水モデルと通常モデル、どちらがいいですか?
雨天や水場の多いコースを走ることが多いなら防水モデルが便利です。ただし、真夏の低山では蒸れやすいため、通常モデルの方が快適です。季節やフィールドに合わせて使い分けるのがベストです。
トレイルシューズの寿命はどのくらいですか?
走る路面や頻度にもよりますが、500km〜800km程度が一般的な目安です。アウトソールのラグの減り具合やミッドソールのヘタリを定期的にチェックし、グリップ力が低下してきたら買い替えを検討しましょう。
トレイルランニングシューズを試着するときのチェックポイント
下りの動作を想定してサイズを選ぶ
トレイルランでは下り坂で足が前方にずれやすいため、つま先に1cm程度のゆとりを持たせるのがポイントです。ロードシューズよりも0.5cm〜1cm大きめのサイズを選ぶと、下りでのつま先の圧迫を防げます。
かかとのホールド感を確認する
不整地ではシューズの中で足が動くとバランスを崩しやすくなります。かかとがしっかりホールドされているかどうかは、試着時に必ず確認しましょう。かかとが浮く感覚があるシューズは、下りの急斜面で不安定になる恐れがあります。
ソールの屈曲性を確かめる
トレイルシューズはロードシューズと比べてソールが硬めに設計されているモデルが多いですが、硬すぎると歩きにくく感じることもあります。手でソールを曲げてみて、適度なしなりがあるかどうかを確かめましょう。テクニカルな岩場を走る場合は硬めのソール、林道メインなら柔らかめのソールが走りやすいです。
足幅の合うモデルを選ぶ
トレイルシューズはメーカーやモデルによって足幅が大きく異なります。足幅が狭めのサロモン、標準的なホカ、幅広対応のアルトラなど、各ブランドの傾向を把握したうえで試着すると効率よく選べます。長時間のレースでは足がむくむこともあるため、ゆとりのあるモデルを選ぶ方が安心です。

まとめ
トレイルランニングシューズは、山道を安全かつ快適に走るために不可欠なアイテムです。初心者にはロード兼用タイプのペガサストレイルやチャレンジャー、中級者にはスピードクロスやセンスライド、上級者にはオリンパスやS/LAB Ultraがおすすめです。
走るフィールドやレースの距離に合わせて、自分に合ったトレイルシューズを選んで、自然の中を思い切り走る楽しさを味わってください。
参考リンク:

