フルマラソンでサブ3(3時間切り)は、市民ランナーの頂点とも言える目標です。RUNNETの集計では、2023年度のフルマラソン完走者のうちサブスリー達成者は男性で4.4%、女性で0.6%とされる非常にハイレベルなタイムであり(参考:「全日本マラソンランキング」(2023年度)発表(RUNNET))、到達するには計画的かつ質の高いトレーニングが求められます。
この記事では、マラソンでサブ3を達成するために必要な練習メニュー、月間走行距離、スピード強化の方法、レース戦略を具体的に解説します。サブ3.5を達成し、さらなる高みを目指すランナーの方はぜひ参考にしてください。

サブ3に必要な走力とペース

求められるキロペースと走力水準
フルマラソンで3時間を切るには、42.195kmを1kmあたり4分15秒以内のペースで走り切る必要があります。5kmあたり21分15秒、10km42分30秒、ハーフマラソン1時間29分40秒がそれぞれの通過目安です。
このペースを42km維持するためには、実際にはキロ4分05秒〜4分10秒程度で巡航できるスピードと持久力が必要です。5kmのタイムタトリアルで19分台、10kmで40分前後で走れることがサブ3挑戦の前提条件と言えるでしょう。
月間走行距離の目安
サブ3を目指す場合、月間走行距離250km〜350km程度をコンスタントに走り込むのがひとつの目安です。ただし、距離だけでなく練習の質が非常に重要です。
週6日のランニングで、平日に10〜15km、週末に25〜35kmのロングランを組み合わせるのがひとつの組み方です。休養日は週1日設け、完全休養にするかウォーキング程度の軽い運動にとどめましょう。
月間300km近くを走るようになると、シューズの消耗もそれだけ早くなります。ジョグ用とポイント練習用を分けてローテーションする方法もあるので、履き替え用の1足を早めに用意しておくと練習を止めずに済みます。
ローテーション用の1足を探すなら、アメリカ発のランニングシューズブランドBROOKS(ブルックス)も候補になります。ゴースト/グリセリン/アドレナリンGTS/ハイペリオンなどのシリーズがあり、メンズ・ユニセックスにはD(標準)/2E(幅広)/4E(超ワイド)のウィズ展開があるモデルもあります。公式オンラインショップの送料は全国一律550円(税込)、10,000円(税込)以上で無料です。詳しくは公式サイトで確認できます。

サブ3達成のための5つの練習メニュー


1. LSD(ロングスローディスタンス)
LSDは、ゆっくりとしたペースで長い距離を走り続ける練習方法です。キロ6分〜7分のペースで90分〜150分走ることで、毛細血管の発達や心肺機能の向上が期待できます。サブ3を目指すうえでの「土台づくり」となる練習です。
2. ペース走
サブ3を目指すペース走は、1km4分10秒〜4分15秒で15〜20kmを走ります。レースペースをそのまま体に覚え込ませる、最も実戦的な練習です。呼吸が大きく乱れず、会話はできないけれど鼻呼吸は何とかできるくらいの強度が目安です。
- ペース:1km4分10秒〜4分15秒
- 距離:15〜20km
- 頻度:週1回
- GPSウォッチで1kmごとにラップを確認する
ペース走はラップの精度がそのまま練習の質になります。1kmごとのオートラップやペースアラートが使えるGPSウォッチを持っておくと、設定ペースからのズレをその場で修正できます。
3. インターバル走
サブ3に必要なスピードを磨くため、レースペースよりも速い速度でのインターバル走が不可欠です。心肺機能を高め、キロ4分15秒のペースに「余裕」を持てるようにすることが目的です。
- 1000m×5〜8本(1km3分45秒〜4分00秒)+ 200mジョグ回復
- 2000m×4本(1km3分55秒〜4分05秒)+ 400mジョグ回復
- 頻度:週1回
- トラックや平坦なコースで実施する


4. ビルドアップ走
ゆっくりペースから始めて徐々にペースを上げる練習方法です。レース後半のペースダウンを防ぐ力を養うことができます。
- 総距離:15〜18km
- 最初の5km:キロ5分00秒
- 中盤5km:キロ4分30秒
- 最後の5km:キロ4分00秒〜4分10秒
5. ロングラン(30km走)
サブ3を目指すうえで、30km走は欠かせない最重要練習のひとつです。レース3〜6週間前に2〜3回実施しましょう。ペースはキロ4分30秒〜5分00秒で、後半の10kmをレースペース近くまで上げる変化走がおすすめです。
サブ3に向けた週間スケジュール例
レース準備期(レース8〜4週間前)の週間トレーニング例を紹介します。
- 月曜:完全休養
- 火曜:ジョグ 12km(キロ5分00秒〜5分30秒)
- 水曜:インターバル走 1000m×6本(キロ3分50秒)+ ジョグ
- 木曜:ジョグ 10km(キロ5分30秒)+ 流し5本
- 金曜:ペース走 15km(キロ4分10秒〜4分15秒)
- 土曜:ジョグ 8km(キロ5分30秒〜6分00秒)
- 日曜:ロングラン 25〜30km(キロ4分30秒〜5分00秒)
サブ3レベルの練習は体への負荷が大きいため、故障のリスクが高くなります。少しでも違和感を感じたら練習を中断し、回復を優先してください。無理を押して走り続けると、長期離脱につながる可能性があります。
サブ3達成のためのレース戦略
イーブンペースを徹底する
サブ3を狙うレースでは、前半・後半ともにキロ4分15秒のイーブンペースを維持することが最も効率的です。前半にキロ4分05秒で突っ込むのはリスクが高く、30km以降の大失速につながりやすいです。
5km通過ごとにペースチェック
5km通過タイムの目安は21分15秒です。各5kmのラップを21分00秒〜21分20秒の範囲に収めることを意識しましょう。前半のハーフ通過が1時間28分〜1時間29分であれば、後半も同じペースを維持すればサブ3は達成できます。
補給は30分ごとに計画する
サブ3ペースでは、エネルギーの消費も非常に速くなります。レース中の補給は30分ごとにエナジージェルを摂取するのがひとつの目安です。給水は走りながらコップを取る練習を事前に行っておくと、ロスタイムを最小限に抑えられます。
ジェルは味や粘度、カフェインの有無で好みが大きく分かれます。本番でいきなり試すと胃に合わないこともあるので、練習のうちに何種類か試して自分に合うものを決めておきましょう。


サブ3達成に向けた体づくり


体重管理
サブ3レベルでは体重も走りに影響します。体が重いほど、同じペースで走るために必要なエネルギーは大きくなります。ただし、過度な減量は怪我やパフォーマンス低下のリスクがあるため、健康的な範囲での体重管理を心がけましょう。
体幹・筋力トレーニング
サブ3ペースで42kmを走り切るには、強い体幹とランニングに必要な筋力が不可欠です。プランク、スクワット、ランジ、ヒップリフトなどの基本的な筋力トレーニングを週2〜3回取り入れましょう。
床が硬いと肘や膝が痛くて集中できないので、厚みのあるトレーニングマットを1枚敷くだけで続けやすさが変わります。
睡眠と回復
質の高い練習を継続するためには、十分な睡眠時間の確保が欠かせません。厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人は少なくとも6時間以上の睡眠を確保できるように努めることがすすめられています(参考:健康づくりのための睡眠ガイド2023(厚生労働省))。また、練習後のストレッチやフォームローラーを使ったセルフケアも習慣化しましょう。回復の質がトレーニングの質を左右します。
まとめ
マラソンでサブ3を達成するには、月間250〜350kmの走り込みと、ペース走・インターバル走・ビルドアップ走・LSD・30km走をバランスよく組み合わせた質の高いトレーニングが必要です。
レースではキロ4分15秒のイーブンペースを徹底し、計画的な補給戦略で最後までペースを維持することが求められます。体重管理や体幹トレーニング、十分な睡眠など、走ること以外の要素も重要です。
サブ3は完走者のなかでもごく一部しか達成できない高い目標ですが、正しい方法で地道に練習を積み重ねれば、到達は不可能ではありません。焦らず、怪我に気をつけながら、この大きな目標に挑戦してください。
参考:小谷修平のランニング講座「サブ3達成者を複数生んだ練習メニュー」
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