フルマラソンを走り切るには、シューズやウェアだけでなくレース中の補給食選びがとても大切です。エネルギーが切れた状態で走り続けると、いわゆる「ガス欠(ハンガーノック)」に陥り、足が動かなくなってしまいます。
この記事では、マラソンの補給食の種類や選び方、おすすめの商品、そして摂取タイミングまでまるっと解説します。初めてフルマラソンに挑戦する方も、タイムを狙うシリアスランナーも、ぜひ参考にしてみてください。

マラソンの補給食が必要な理由
人間の体に蓄えられるグリコーゲン(糖質エネルギー)は、おおよそ1,500〜2,000kcal程度です。一方、フルマラソンで消費するエネルギーは約2,500〜3,000kcalにもなります。つまり、体内の貯蔵だけではエネルギーが足りず、途中で補給しなければガス欠に陥ってしまいます。
エネルギーが枯渇すると、急激にペースが落ちるだけでなく、集中力が低下して転倒リスクも高まります。完走を目指すランナーも、タイムを狙うランナーも、レース中の補給計画は欠かせません。
マラソン補給食の種類と特徴
マラソンで使われる補給食には、大きく分けて以下のタイプがあります。
エナジージェル
もっともポピュラーな補給食です。小さなパウチに入ったジェル状のエネルギー食品で、1個あたり約100〜120kcalを素早く摂取できます。コンパクトで持ち運びやすく、走りながらでも摂取しやすい点が大きなメリットです。
エナジーバー・羊羹タイプ
固形タイプの補給食で、ジェルに比べて腹持ちが良いのが特徴です。スポーツようかんやエナジーバーが代表的で、噛んで食べるので満足感があります。ただし、ペースが速いランナーは走りながら食べにくい場合もあります。
タブレット・サプリメントタイプ
塩分やミネラルの補給に特化したタブレット型のアイテムです。エネルギー補給というよりは、電解質(ナトリウム・マグネシウムなど)の補充が主な目的です。エナジージェルと組み合わせて携帯するランナーが多い傾向にあります。
初心者にはエナジージェルがおすすめです。コンパクトで持ち運びやすく、走りながらでも摂取しやすいのが魅力。まずはジェルから試してみて、自分に合うタイプを見つけていきましょう。
マラソン補給食のおすすめ商品
多くのランナーに支持されている補給食をジャンル別に紹介します。
Mag-on(マグオン)エナジージェル
水溶性マグネシウムを配合した人気のエナジージェルです。1本41gで約120kcalのエネルギーを補給でき、足がつりやすいランナーに特に支持されています。フレーバーもレモンやピンクグレープフルーツなど複数あり、カフェイン入りタイプも選べます。トライアスリートをはじめ幅広い層に人気が高い商品です。
アミノバイタル アミノショット
味の素が手がけるロングセラーブランドの補給食で、アミノ酸とエネルギーを同時に摂取できます。パッケージがコンパクトで飲みやすく、味もクセが少ないため初めてエナジージェルを試す方に向いています。
アミノサウルスジェル
4種類のフレーバーが展開されており、粘度がちょうど良いと好評のエナジージェルです。成分バランスに優れ、レース中のあらゆるシーンで頼りになる一品として多くのランナーに選ばれています。
ワラビート
わらび餅風の食感が特徴的な国産エナジージェルブランドです。ジェル独特の化学的な甘さが苦手な方に好まれており、自然な味わいで食べやすいと評判です。
スポーツようかん(井村屋)
片手で押し出して食べられるスティック型のようかんです。和菓子ベースなので日本人の味覚に馴染みやすく、1本あたり約113kcal。ジェルの食感が苦手な方におすすめの固形タイプです。

マラソン補給食の選び方のコツ
カロリー量で選ぶ
マラソン中は1時間あたり約100〜200kcalの補給が目安です。ジェル1本で約100〜120kcal摂れるものが多いので、フルマラソンでは4〜6本を携帯するのが一般的です。
味・食感で選ぶ
レース中は味覚が敏感になりやすいため、普段から「美味しい」と感じる味を選ぶことが重要です。練習時に実際に試してみて、走りながらでもストレスなく飲めるか確認しておきましょう。
成分で選ぶ
エネルギー補給に加えて、マグネシウムやBCAA(分岐鎖アミノ酸)、カフェインなどの成分が入っている商品もあります。足がつりやすい方はマグネシウム入り、後半の集中力をキープしたい方はカフェイン入りを選ぶと良いでしょう。
携帯性で選ぶ
ランニングポーチやショーツのポケットに入るサイズかどうかもチェックしましょう。薄型パッケージのジェルなら、走行中に揺れにくくストレスが少ないです。
マラソン補給食の摂取タイミング
補給食はやみくもに摂るのではなく、タイミングを計画的に決めておくことが大切です。
レース前
スタート30分前に1本のエナジージェルを摂取しておくと、序盤からスムーズにエネルギーを使えます。空腹の状態でスタートするのは避けましょう。
レース中
10〜12kmごとに1本のジェルを摂取するのが基本です。給水所に合わせて補給すると、水で流し込めるのでスムーズに摂取できます。30分〜45分ごとに1本というペースを目安にしている上級ランナーも多いです。
後半戦の追加補給
30kmを過ぎたあたりからエネルギーが急激に減少しやすくなります。この地点でカフェイン入りのジェルを摂取して、ラストスパートに備えるという戦略を取るランナーも少なくありません。
補給食はレース前の練習で試してください。本番で初めて摂取すると、胃腸トラブルを起こす可能性があります。特にカフェイン入りジェルは、お腹が敏感な方は注意が必要です。
目標タイム別の補給計画
サブ5(5時間切り)を目指す方
レース時間が長いため、補給食は6〜8本用意しましょう。ジェルだけでなく、固形の補給食も組み合わせると腹持ちが良くなります。エイドステーションのバナナやおにぎりも積極的に活用しましょう。
サブ4(4時間切り)を目指す方
4〜6本のジェルを携帯し、10km・20km・30kmの給水ポイントで摂取するのがおすすめです。後半にカフェイン入りジェルを温存しておくと、ペースダウンを防ぎやすくなります。
サブ3.5〜サブ3を目指す方
スピードを重視するため、走りながらでもスムーズに摂取できるジェルタイプ一択が基本です。3〜5本を軽量なフリップベルトやレースベストに入れて、計画的に摂取しましょう。

補給食を携帯する方法
マラソン中に補給食をスムーズに取り出すには、携帯方法も大切です。
ランニングポーチ(ウエストポーチ)
腰回りに装着するタイプで、ジェルを数本入れられるポケットが付いたモデルが多く販売されています。揺れにくい設計のものを選ぶと走行中のストレスが減ります。
フリップベルト
腰に巻くチューブ型のベルトで、ジェルやスマートフォンを入れてもフィット感が良いと人気です。バックル不要で着脱も簡単なため、レース用に使うランナーが増えています。
ショーツのポケット
最近のランニングショーツには、ウエスト部分や太もも横にジェル用のポケットが付いているモデルが多くあります。ポーチを追加で持たなくて済むので、身軽に走りたい方に向いています。
マラソン補給食に関するQ&A
Q. 補給食は何本持てばいいですか?
フルマラソンの場合、4〜6本が目安です。サブ5以上のペースでゆっくり走る方は6〜8本あると安心です。エイドステーションで提供される食品も活用しながら、不足しない量を計算しましょう。
Q. 補給食を摂ると胃が気持ち悪くなるのですが?
ジェルの甘さや成分が合わない可能性があります。水と一緒に少しずつ流し込むか、固形タイプのスポーツようかんなどに切り替えてみてください。練習時に何度か試して、相性の良い商品を見つけることが大切です。
Q. 給水所の水だけでは駄目ですか?
水やスポーツドリンクだけでは、フルマラソンに必要なエネルギーを補いきれません。給水はあくまで水分と電解質の補給であり、カロリー補給は別途補給食で行う必要があります。

Q. ジェルとようかん、どちらがフルマラソン向きですか?
ペースや好みによります。サブ4以上を狙う方はジェルのほうが走りながら摂取しやすく、タイムロスが少ないです。一方、サブ5ペースでゆっくり走る方は固形のようかんも十分選択肢に入ります。エイドステーションで立ち止まって食べる余裕がある場合は、ようかんのほうが満足感を得やすいでしょう。
Q. カフェイン入りジェルは何本まで摂って良いですか?
カフェインの摂りすぎは動悸や胃の不快感につながるため、レース中は1〜2本に抑えるのが安全です。後半のここぞという場面で使うために温存するのが基本的な考え方になります。普段からコーヒーなどでカフェインに慣れている方と、あまり摂取しない方では感受性が異なるため、練習で自分の許容量を把握しておきましょう。
まとめ
マラソンの補給食は、完走やタイム更新を左右する重要なアイテムです。エナジージェル・固形タイプ・タブレットなど種類はさまざまですが、初心者にはまずジェルタイプから試すのがおすすめです。
Mag-onやアミノバイタル、アミノサウルスなど実績のある商品を練習で試し、自分の体に合ったものを見つけましょう。摂取タイミングは10〜12kmごとが基本で、スタート30分前にも1本摂っておくのがコツです。
補給計画をしっかり立てて、レース当日を万全の状態で迎えてください。
参考:Runtrip Magazine|マラソンにおすすめのエナジージェル、ATHTRITION|携帯用エナジージェル9商品を比較、スポーツマリオ|エネルギー補給食特集

