「60代からランニングなんて無茶では?」と思う方もいるかもしれませんが、60代からでも、段階を踏めばランニングを始めることはできます。正しい方法で始めれば、年齢に関係なくランニングの恩恵を受けることができます。
大切なのは、無理をせず、自分の体と相談しながら進めることです。この記事では、60代からのランニングの始め方として、安全にスタートするためのステップと長く楽しむためのコツを詳しく解説します。

60代でランニングを始める健康上のメリット
心臓や血管の健康をサポートする
適度なランニングは心臓を強くし、血管の弾力性を保つのに役立ちます。定期的に体を動かすことで、血圧の安定や心臓への負担軽減が期待できます。
骨密度の低下を防ぐ
加齢とともに骨密度は低下しますが、ランニングのような荷重運動は骨に適度な刺激を与え、骨密度の維持に役立ちます。身体活動には、骨粗しょう症の予防に寄与することも期待できるとされています(参考:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」情報シート:身体活動による疾患等の発症予防・改善のメカニズム)。
認知機能の維持
身体活動については、神経の成長因子の増加や、記憶に関わる脳の部位(海馬)の萎縮の抑制が報告されており、認知機能の維持にも良い影響が期待できるとされています(参考:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」情報シート)。
転倒予防とバランス能力の向上
ランニングで下半身を動かす習慣は、脚の筋力を保つことに役立ちます。後半で紹介する補強トレーニングと組み合わせると、日常生活での足腰の衰え対策にもなります。

始める前に必ずやること
医師の診察を受ける
60代でランニングを始める前には、必ず医師の診察を受けてください。特に心臓・血圧・関節に問題がないかを確認することが重要です。「運動していいですか」と主治医に相談し、許可を得てから始めましょう(参考:50〜70代からのランニング入門)。
クッション性の高いシューズを用意する
60代の関節はクッション機能が低下しているため、衝撃吸収性に優れたランニングシューズを選ぶことが最も重要です。走っているときの足には体重の2〜3倍の荷重がかかるとされているため(参考:仲谷ほか「足部剛性が走行中着地衝撃に及ぼす影響」バイオメカニズム24)、シューズのクッション性は故障予防の面でも大切です。
いくつかのブランドを見比べて選びたいなら、スーパースポーツゼビオの公式オンラインストアも便利です。ランニングシューズを複数ブランドから横断して選べます(2026年10月8日時点の一覧で1,777件・26ブランド)。送料は550円(税込)、3,980円(税込)以上で無料(沖縄・離島・一部地域を除く)。ゼビオグループ各店(一部店舗を除く)で受け取る場合は、金額にかかわらず送料無料です。詳しくは公式サイトで確認できます。

運動しやすい服装を準備する
通気性と伸縮性のある素材のウェアがおすすめです。季節に合わせてレイヤリング(重ね着)で調整できるようにしておくと快適です。
60代のランニングの始め方(スロージョギングから)
まずはスロージョギングから
60代から始める場合は、スロージョギングからスタートするのが最も安全です。スロージョギングとは「歩くのと同じか、やや速いくらいのペース」で走ることで、通常のランニングより膝や心臓への負担が小さいのが特徴です。
スロージョギングの目安ペースは、1kmあたり8〜10分程度です。「会話ができるくらいのペース」で走るのがちょうどいい強度です。
週2〜3回、15〜20分から
最初の目標は「週合計20分のスロージョグ」を作ることです。1回あたり10〜15分でも構いません。週2〜3回のペースで無理なく始めましょう(参考:シニアランナーのためのガイド)。
ウォーク&ジョグを活用する
「2分歩いて1分走る」を繰り返すウォーク&ジョグは、60代にとって最も取り組みやすい方法の一つです。体が慣れてきたら、走る時間を少しずつ延ばしていきます。
徐々にステップアップする
| 期間 | 内容 | 時間の目安 |
|---|---|---|
| 1〜2週目 | ウォーキング中心(ジョグ少々) | 20分 |
| 3〜4週目 | ウォーク3分+ジョグ2分の繰り返し | 20〜25分 |
| 5〜6週目 | ウォーク2分+ジョグ3分の繰り返し | 25分 |
| 7〜8週目 | ジョグ5分+ウォーク2分の繰り返し | 25〜30分 |
| 9週目〜 | 15〜20分の連続ジョグを目指す | 20〜30分 |


60代ランナーが注意すべきポイント
体の痛みは我慢しない
膝・腰・足首などに痛みを感じたら、すぐにランニングを中止してください。「少しの痛みなら」と無理を続けると、回復に時間がかかる故障につながります。
暑さ・寒さへの対策を万全にする
60代は体温調節機能が低下しているため、夏の暑さと冬の寒さへの対策が欠かせません。夏は早朝や夕方の涼しい時間帯に走り、冬は防寒具をしっかり身につけましょう。
水分補給はこまめに
喉の渇きを感じる前に、走る前・走っている最中・走った後のすべてで水分を補給する習慣をつけましょう。脱水は心臓に大きな負担をかけます。
一人で走る場合は連絡手段を持つ
万が一の体調不良に備えて、スマートフォンを携帯して走りましょう。家族に走るルートと時間を伝えておくことも安全対策として有効です。
胸が締め付けられるような痛み、めまい、極端な息切れを感じた場合は、直ちに運動を中止し、医療機関を受診してください。
60代から始めるランニングにおすすめの場所
公園や河川敷のランニングコース
交通事故のリスクが少なく、平坦で走りやすい公園や河川敷がおすすめです。景色を楽しみながら走れるのもメリットです。
ジムのトレッドミル
天候に左右されず、速度や傾斜を調整できるトレッドミルは60代ランナーに最適です。空調が効いた環境で安全に走ることができます(参考:毎日運動 シニアランナーガイド)。
シニア向けランニングクラブ
同世代のランナーと一緒に走ることで、安全面でも精神面でも安心感があります。地域のランニングクラブに参加してみるのもおすすめです。
よくある質問(Q&A)
Q. 60代からでもマラソン大会に出られますか?
出られます。多くのマラソン大会では60代以上の年齢区分が設けられており、同世代と競い合えます。まずはウォーキング大会や5kmの大会から始めてみましょう。
Q. どのくらいのペースで走ればいいですか?
1kmあたり8〜10分程度、「会話ができるくらい」のペースが目安です。息が上がるようならペースを落とすか、歩きに切り替えてください。
Q. ランニングとウォーキング、どちらが体にいいですか?
どちらも健康に良い運動です。ランニングは消費カロリーが多い一方、関節への負荷も大きくなります。体に不安がある場合はウォーキングから始めて、慣れてきたらスロージョギングに移行するのがおすすめです。
Q. 60代でランニングを始めるのに必要な費用はどれくらいですか?
最低限必要なのはランニングシューズ(8,000〜15,000円)と動きやすいウェアです。ウェアはユニクロやワークマンなどでリーズナブルに揃えることもできます。合計1〜2万円程度あれば始められます。ランニングは初期費用が少なく、月々のコストもほとんどかからないため、コスパの良い趣味と言えます。
Q. 雨の日はどうすればいいですか?
雨の日は路面が滑りやすく転倒のリスクが高まるため、無理に外で走らず室内での運動に切り替えるのが安全です。自宅での筋トレやストレッチ、ジムのトレッドミルなどで体を動かしましょう。軽い雨なら防水ジャケットを着て走ることも可能ですが、足元が滑らないよう注意してください。
60代ランナーにおすすめの補強トレーニング
椅子を使ったスクワット
椅子の前に立ち、座るように腰を落としてから立ち上がる動作を繰り返します。通常のスクワットより安全で、太ももやお尻の筋力を鍛えられます。10回×2〜3セットから始めましょう。
壁を使ったカーフレイズ
壁に手をついてバランスを取りながら、かかとの上げ下げを繰り返します。ふくらはぎの筋力強化と、バランス能力の向上に効果的です。15回×2〜3セットが目安です。
片脚立ちバランス
片足で30秒間立ち続けるトレーニングは、バランス能力の向上と転倒予防に効果があります。最初は壁や椅子に軽く手を添えて行い、慣れたら手放しで挑戦してみましょう。左右交互に3セットずつ行います。
ストレッチポールでのリラクゼーション
走った後にストレッチポール(フォームローラー)の上に仰向けになることで、背中や肩甲骨周りの緊張をほぐし、姿勢の改善にもつながります。ランニング後のケアとして取り入れると、翌日の疲労感が軽くなります。
60代のランニングを長く楽しむための心構え
他人と比べない
60代のランニングで大切なのは、自分のペースで楽しむことです。若い世代のランナーと比較するのではなく、昨日の自分と比べて少しでも成長できていれば十分です。
体調が悪い日は勇気を持って休む
「せっかく習慣にしたのに」と思うかもしれませんが、体調が優れない日に無理をすると回復が遅れます。1日休んでもランニングの効果は失われません。長い目で見て、継続できることが最も大切です。
定期的に健康チェックを受ける
半年に1回程度は健康診断を受けて、心臓や血圧、関節の状態を確認しましょう。問題がなければ安心して走り続けることができますし、早期に異常を発見できれば重症化を防げます。


60代のランニングがもたらす日常の変化
ランニングは体だけでなく、生活全体にポジティブな変化をもたらしてくれます。大切なのは速さではなく、継続することです。走れる日も走れない日も、自分の体と向き合いながらランニングライフを楽しんでいきましょう。
まとめ
60代からのランニングは、スロージョギングとウォーク&ジョグを活用して段階的に始めるのが安全です。医師の診察、適切なシューズ選び、こまめな水分補給を徹底し、体の声に耳を傾けながら無理なく続けていくことが大切です。
年齢を重ねても、走ることで得られる喜びと健康効果は変わりません。ぜひ一歩を踏み出して、ランニングライフを始めてみてください。



