マラソン大会のコース上には、ウォーターステーション(給水所)が設置されています。初心者ランナーにとっては「どう使えばいいのか」「止まって飲むべきか走りながら飲むべきか」と迷うポイントでしょう。
この記事では、マラソンのウォーターステーションの基本的な使い方からスムーズに給水するコツ、そして給水計画の立て方まで詳しく解説します。

ウォーターステーションの基本
設置間隔
日本のマラソン大会では、一般的に約2.5〜5km間隔でウォーターステーションが設置されています。大規模な大会(東京マラソンや大阪マラソンなど)では、水・スポーツドリンクに加えて、バナナやチョコレートなどの補給食が用意されるエイドステーションも設置されます。
提供される飲料
ウォーターステーションでは、基本的に水とスポーツドリンクが提供されます。テーブルが分かれていることが多く、手前側が水、奥側がスポーツドリンクというのが一般的な配置です。大会によっては手前がスポーツドリンク、奥が水の場合もあるため、事前に大会要項を確認しておきましょう。
紙コップの取り方
給水テーブルに並んだ紙コップは、真上からつかむのが基本です。横から手を出すとコップを倒したり中身をこぼしたりしやすくなります。親指と人差し指・中指でコップの上部を挟むようにつかむと安定します。
ウォーターステーションの使い方の流れ
ステップ1:手前から取る位置を決める
給水テーブルは長いため、前方のランナーが取った後でもテーブルの後半にはまだコップが残っていることが多いです。混雑する前半部分を避け、テーブルの中盤〜後半でコップを取ると焦らずに済みます。
ステップ2:ペースを少し落とす
走りながら給水する場合でも、給水テーブルの手前で少しペースを落としましょう。全力のまま突っ込むとコップを取り損ねたり、こぼしたりする原因になります。
ステップ3:コップを取って飲む
コップを取ったら、飲み口を少しつぶして縦長の形にすると走りながらでもこぼれにくくなります。一気に飲もうとせず、数回に分けて口に含むのがコツです。
「走りながら飲む」動作は本番でいきなりやるとうまくいきません。普段の練習でハンドボトルを持って走り、走りながら口に含む感覚に慣れておくと本番で慌てずに済みます。
ステップ4:コップを所定の場所に捨てる
飲み終わったコップは、大会が指定するゴミ箱やゴミ回収エリアに捨てましょう。コース上に投げ捨てるのはマナー違反であり、後続ランナーの転倒リスクにもなります。

給水で失敗しないためのコツ
序盤から全ての給水所に立ち寄る
「まだ喉が渇いていないから」と序盤の給水をスキップするのは危険です。のどの渇きを感じなくても、こまめに水分を補給することが勧められており(参考:厚生労働省「熱中症を防ぎましょう」)、序盤から少量ずつ水分補給することが重要です。
水とスポーツドリンクを使い分ける
水だけを飲み続けると体内の電解質バランスが崩れるリスクがあります。水とスポーツドリンクを交互に摂取するか、スポーツドリンクを中心に飲むのがおすすめです。
1回の給水量は100〜200ml
一度に大量の水を飲むと胃に負担がかかり、横腹の痛みや吐き気の原因になります。紙コップ半分〜1杯程度(100〜200ml)をこまめに摂取するのが理想的な量です。
体に水をかけて冷却する
暑い季節のレースでは、飲む用のコップとは別に、体にかけるための水を取るという方法もあります。首筋や腕に水をかけることで体温の上昇を抑え、パフォーマンス低下を防ぐことができます。ただし、冬季のレースでは体が冷えすぎるリスクがあるため注意が必要です。
給水所の水を使うほかに、水で濡らして使う冷感タオルを首にかけて走るランナーもいます。夏場の練習でも使えるので、1枚持っておくと出番が多いです。
マイボトル・給水ベルトの活用
ウォーターステーション間の距離が長い大会や、自分のタイミングで給水したい場合は、マイボトルや給水ベルトを携帯するのも有効です。
- ハンドボトル:手に持って走るタイプ。200〜500ml程度で手軽に使える
- 給水ベルト:腰に巻くタイプ。小型ボトルを複数セットでき、バランスが良い
- ランニングベスト:背中に500ml〜1Lのハイドレーションパックを装着できるタイプ。長距離・トレイルラン向け
給水ベルトは、ボトルの本数やポケットの有無でモデルが分かれるので、携行したいものに合わせて選びたいところです。
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給水計画の立て方
- 大会公式サイトでウォーターステーションの位置を事前に確認する
- 全ての給水所で水分を補給する計画を立てる
- エネルギージェルの摂取タイミングと給水所の位置を合わせる
- ジェルは給水所の手前で摂取し、水で流し込む
- 暑い日は給水量をふだんより増やす
給水所の位置に合わせてジェルを摂るなら、水で流し込みやすいタイプかどうかも選ぶ基準になります。粘度は製品ごとに違うので、練習で試してから本番用を決めましょう。
ウォーターステーションでのマナー
急に止まらない
給水のために急ブレーキをかけると後続のランナーと接触する危険があります。給水テーブルに近づいたら徐々にペースを落とし、コースの端に寄ってから立ち止まりましょう。
他のランナーの進路を塞がない
紙コップを取った後はテーブルから離れて飲みましょう。テーブルの前に立ち止まったままだと、後からくるランナーの邪魔になってしまいます。
ボランティアスタッフに感謝を伝える
ウォーターステーションはボランティアスタッフの協力で運営されています。余裕があれば「ありがとう」と声をかけると、お互いに気持ちの良いレースになります。


季節別の給水戦略
夏のレースの場合
気温が高い季節は汗の量が増えるため、ふだんより給水量を増やす必要があります。全ての給水所で必ず水分を摂取し、スポンジステーションがあれば首筋や頭を冷やしましょう。脱水は命に関わるリスクがあるため、自己判断でスキップしないことが大切です。
冬のレースの場合
冬場は汗の量が減るため、給水量は夏ほど多くなくて良いでしょう。ただし、喉の渇きを感じにくい分、意識的に給水する必要があります。冷たい水で体が冷えるのが気になる場合は、口に含んで少しずつ飲む方法がおすすめです。
エイドステーションの食べ物の活用法
大規模な大会では、給水所に加えてバナナ・チョコレート・塩飴・おにぎりなどが提供されるエイドステーションが設置されます。これらの固形物はエネルギー補給だけでなく気分転換にもなるため、レース後半で精神的に辛くなったときに活用しましょう。
ただし、食べ慣れないものを大量に食べると胃腸トラブルの原因になるため、少量ずつ摂取するのが無難です。
塩飴が用意されていない大会もあるので、汗をかく時期のレースでは塩タブレットを自分で数個持っておくと選択肢が増えます。
よくある質問(Q&A)
Q. 給水所をスキップしても大丈夫ですか?
序盤は喉が渇いていなくても、全ての給水所で少量ずつ水分を摂取することを推奨します。脱水が進行してからでは回復が難しく、レース後半のパフォーマンスに大きく影響します。
Q. 給水所で立ち止まるとタイムロスになりませんか?
給水所で立ち止まっても5〜10秒程度のロスです。走りながらこぼしてほとんど飲めないよりも、確実に水分補給できる方がはるかにメリットが大きいです。特に初心者は立ち止まって飲むことを恥ずかしがる必要はありません。
Q. スポーツドリンクと水、どちらを優先して飲むべきですか?
レースの序盤は水でも問題ありませんが、20km以降はスポーツドリンクを優先するのが良いでしょう。発汗で失われたミネラルの補給と、糖質によるエネルギー補給が同時にできるためです。
まとめ
ウォーターステーションはマラソンランナーにとって欠かせない補給ポイントです。序盤からこまめに少量ずつ水分を摂取し、水とスポーツドリンクを使い分けることで、脱水を防ぎレース後半のパフォーマンスを維持できます。
紙コップは真上からつかみ、飲み口をつぶして飲むとこぼれにくくなります。事前に大会コースの給水所位置を確認し、補給計画を立ててレースに臨みましょう。
参考サイト:SPORTSONE「上手に給水を行うためのポイント」、RUNNAL「知っておきたい給水のコツ」、セイコー「マラソン給水のルールや工夫」
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