ランニングのトレーニングを走ることだけで構成していませんか。走る練習は大切ですが、それだけでは体の一部に負荷が偏りやすく、怪我のリスクが高まります。そこでおすすめしたいのが、水泳をクロストレーニングとして取り入れる方法です。
水泳は全身運動でありながら関節への負担が少なく、有酸素能力の維持・向上に適しています。この記事では、ランニングと水泳を組み合わせるメリットや具体的な取り入れ方、注意点をまとめました。クロストレーニングに興味があるランナーは、ぜひ参考にしてみてください。

クロストレーニングとは
クロストレーニングとは、メインのスポーツ(ランニング)に加えて、異なる種目の運動を取り入れるトレーニング方法です。目的は、全身をバランスよく鍛えること、ランニングだけでは使いにくい筋肉を強化すること、そしてオーバーユース(使いすぎ)による怪我を防ぐことにあります。
クロストレーニングの種目には水泳、自転車、ヨガ、筋トレなどがあります。この記事では、関節への負担が少ない水泳を取り上げます。
ランニングと水泳を組み合わせるメリット
1. 関節への負担がゼロに近い
ランニングでは着地のたびに体重の約2〜4倍の力(床反力)を地面から受けるとされていますが(参考:日本スポーツ整形外科学会「ランニング障害〈前編〉」)、水泳は水の浮力が体重を支えるため、関節への衝撃がほぼゼロです。膝や足首に不安を抱えるランナーや、故障からの回復期にあるランナーにとって、有酸素トレーニングを続けられる貴重な手段です。
2. 上半身の筋力を強化できる
ランニングは主に下半身の運動ですが、水泳は背中(広背筋)、肩(三角筋)、胸(大胸筋)、腕(上腕三頭筋)など上半身の筋肉を幅広く使います。上半身と下半身をバランスよく鍛えることで、ランニング時の腕振りが力強くなり、フォームの安定にもつながります。
3. 有酸素能力を維持・向上できる
水泳は全身を使う有酸素運動なので、心肺機能を使うトレーニングになります。故障中で走れない期間でも、関節への負担を抑えながら有酸素運動を続けられるのはメリットです。
4. リカバリー効果がある
軽い水泳や水中ウォーキングは、いわゆる「アクティブリカバリー」としても活用できます。水圧が全身に適度な圧力をかけることで、血液循環の促進が期待でき、ランニング後の疲労回復をサポートします。
5. トレーニングのマンネリ化を防ぐ
毎日走ってばかりだと、精神的にマンネリ化してモチベーションが下がることがあります。週に1〜2回プールに通うことで気分転換になり、ランニングへのフレッシュな気持ちを保ちやすくなります。

ランナーにおすすめの水泳メニュー
初心者向け:水中ウォーキング(30分)
泳ぎが苦手な方でも取り入れやすいのが水中ウォーキングです。プールの中を歩くだけですが、水の抵抗があるため全身の筋肉を使います。膝を高く上げて歩く「ハイニーウォーク」や、横歩き、後ろ歩きなどバリエーションを加えると、より多くの筋肉を使えます。競泳用よりも、動きやすく体型をカバーできるフィットネス向けの水着を選ぶ方法もあります。
中級者向け:クロール中心のインターバル(40〜50分)
クロールで泳げる方は、以下のようなインターバルメニューがおすすめです。
- ウォーミングアップ:ゆっくりクロール200m
- メインセット:50m×8本(各本の間に30秒休憩)
- リカバリー:背泳ぎまたはゆっくりクロール100m
- メインセット2:100m×4本(各本の間に45秒休憩)
- クールダウン:ゆっくりクロールまたは水中ウォーキング200m
合計で800〜1,000m程度を泳ぐメニューです。ランニングのインターバル走と同じ感覚で、心拍数を上げる区間と回復する区間を繰り返します。
故障時のリハビリ向け:水中ジョギング
フローティングベルト(浮き具)を装着してプールの深い場所でジョギングの動作を行う「アクアジョギング」は、走る動きを再現しながら関節への衝撃をゼロにできる方法です。ランニングフォームを意識しながら20〜30分行うことで、有酸素能力と筋力の維持が可能です。貸し出しのないプールに通う場合は、自分用のベルトを1本用意しておくと通うたびに困りません。
ランニングと水泳の組み合わせ方
週間スケジュールの例
- 月曜:ランニング(ジョグ60分)
- 火曜:水泳(40分)
- 水曜:ランニング(インターバル走)
- 木曜:休息またはヨガ
- 金曜:ランニング(ペース走)
- 土曜:水泳(30分)+ 軽いジョグ
- 日曜:ランニング(ロング走)
ランニングの練習量を減らす必要はなく、ランニングの合間のリカバリー日に水泳を入れるイメージです。週1〜2回の水泳で十分なクロストレーニング効果が期待できます。
水泳初心者のランナーがプールに通い始めるには
「水泳がクロストレーニングに良いのはわかるけど、泳げない」という方もいるでしょう。ここでは水泳初心者のランナーがプールに通い始めるためのステップを紹介します。
まずは市民プールから
最初から本格的なスイムスクールに通う必要はありません。地域の市民プールや公営プールであれば、1回数百円で利用できます。多くのプールにはウォーキング専用レーンが設けられているため、泳げなくても水中ウォーキングから始められます。
必要な道具
最低限必要なのは水着、スイムキャップ、ゴーグルの3点です。ランニング用のスポーツウェアとは別に用意しましょう。ゴーグルは曇り止め加工のものを選ぶと快適に泳げます。フローティングベルトはプールで貸し出しているところもあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
泳ぎ方を覚えるには
クロールの基本だけ覚えれば、クロストレーニングとしては十分です。最近は大人向けの短期水泳教室を実施しているスポーツクラブもあり、4〜8回程度のレッスンでクロールの基本を学ぶプログラムもあります。

水泳をクロストレーニングに取り入れるときの注意点
- 泳ぎが苦手な方は水中ウォーキングから始める
- プール後は体が冷えやすいため、しっかりタオルで拭いて温める
- 塩素で肌や髪がダメージを受けることがあるため、スイムキャップやゴーグルを使用する
- 水泳だけでランニングの代わりにはならない(走力を維持するにはランニングも継続が必要)
- 水泳後は空腹感が強くなりやすいため、食事量のコントロールに注意する
スイムキャップは着用を義務づけているプールも多いので、通う前に用意しておくと安心です。

水泳のクロストレーニング効果を高めるポイント
ただ漫然と泳ぐだけでなく、いくつかのポイントを意識することで、クロストレーニングとしての効果をさらに高められます。
心拍数を意識する
ランニングと同様に、水泳でも心拍数を意識してトレーニング強度を管理しましょう。リカバリー目的なら最大心拍数の50〜60%、有酸素能力の向上を目指すなら65〜80%を目安にします。防水対応のスマートウォッチや心拍計を活用するとよいでしょう。スイムモードを搭載したモデルなら、泳いだ距離やラップも自動で記録できます。
ランニングと水泳の両方で使う時計や、走る日のウェア・小物もあわせて見比べたいなら、ヒマラヤオンラインストアも選択肢になります。株式会社ヒマラヤのオンラインストアで、ランニングシューズやウェア、キャップ、ソックス・グローブ・時計・インソールなどのアクセサリーを扱っています。送料は税込550円、合計税込5,500円以上で無料(一部大型商品・離島などは別)で、全国のヒマラヤ店舗での受け取りもできます。詳しくは公式サイトで確認できます。

泳法を使い分ける
クロールだけでなく、背泳ぎや平泳ぎも取り入れると、使う筋肉が変わり全身をバランスよく鍛えられます。特に背泳ぎは背中の筋肉を使うため、ランニング中の姿勢維持に役立つ筋力の強化につながります。
プルブイやキックボードを活用する
プルブイ(脚に挟む浮き具)を使って腕だけで泳ぐと上半身の集中トレーニングになり、キックボードを使って脚だけで泳ぐと下半身のトレーニングになります。これらの道具を使い分けることで、弱い部分を重点的に鍛えることも可能です。どちらもかさばらないので、1枚持っておくとメニューの幅が広がります。
よくある質問(Q&A)
Q. 泳げなくてもクロストレーニングになる?
なります。水中ウォーキングやアクアジョギングは泳ぐスキルがなくても行えます。水の抵抗を利用した全身運動になるため、十分なクロストレーニング効果が期待できます。
Q. ランニングと同じ日に水泳をしてもいい?
可能です。ランニング後に軽い水泳を行うと、アクティブリカバリーとして疲労回復を促進する効果が期待できます。ただし、両方ハードに行うと疲労が蓄積するため、水泳は軽めにするのがおすすめです。ランニングの後に水中ウォーキングを20分程度行うのが、最も取り入れやすいパターンです。
Q. トライアスロンを目指さなくても水泳は有効?
もちろん有効です。トライアスロンを目指していなくても、クロストレーニングとしての水泳は、脚への負担を抑えながら運動量を確保する方法として役立ちます。
まとめ
水泳は、ランナーにとって理想的なクロストレーニングの一つです。関節への負担がほぼゼロでありながら、有酸素能力の維持・上半身の筋力強化・リカバリー促進など、多くのメリットがあります。
泳ぎが苦手な方は水中ウォーキングやアクアジョギングから始めれば問題ありません。週1〜2回の水泳をランニングの間に取り入れて、バランスのよいトレーニングプランを構築しましょう。怪我のリスクを減らしながら、ランニングのパフォーマンスを高めていきましょう。
まずは近くの市民プールに足を運んでみてください。水中ウォーキングから始めて、慣れてきたら少しずつ泳ぐ距離を伸ばしていくのがおすすめです。
参考: UP RUN マラソンのクロストレーニングに水泳を取り入れよう / デサント 水泳を取り入れると走りも変わる / 水泳・自転車がランナーに効く科学的理由



