ランニング中に「なんだか頭がぼんやりする」「急に力が入らなくなった」と感じたことはありませんか? それ、脱水症状のサインかもしれません。
ランニングでは大量の汗をかくため、適切な水分補給を行わないと脱水症状に陥るリスクが高いのが現実です。夏場はもちろん、冬でも乾燥した空気の中では知らず知らずのうちに水分が失われます。
この記事では、ランニング中の脱水症状の原因や兆候、そして正しい水分補給の方法まで詳しく解説します。安全に走り続けるために、ぜひ参考にしてください。

脱水症状とは?ランナーが知っておくべき基礎知識
脱水症状とは、体内の水分量が正常値より大きく減少した状態のことです。人間の体は約60%が水分でできており、体重のわずか2%の水分が失われるだけでもパフォーマンスが低下するとされています。
ランニング中の発汗量は個人差がありますが、1時間あたり500ml〜1.5リットル程度の汗をかくと言われています。特に気温が高い時期や長距離のランニングでは、短時間で大量の水分が失われます。
脱水症状の段階別サイン
・軽度:喉の渇き、口の乾き、尿の色が濃くなる
・中等度:頭痛、めまい、吐き気、筋肉のけいれん
・重度:意識障害、体温調節の異常、失神
特に危険なのは、喉の渇きを感じた時点ではすでに体内の水分が不足しているということ。「喉が渇いたから飲む」では遅い場合があるため、計画的な水分補給が大切です。
ランニング中に脱水が起きる原因
大量の発汗
ランニングは全身運動のため、体温が上がりやすく大量の汗をかきます。汗には水分だけでなくナトリウムやカリウムなどの電解質も含まれており、これらが失われると筋肉のけいれんや機能低下につながります。
水に溶かして使う電解質タブレットなら、走る量や気温に合わせて濃さを調整できます。持ち運びもかさばりません。
冬場の「隠れ脱水」
冬は喉の渇きを感じにくいため水分補給がおろそかになりがちです。しかし、冬の乾燥した空気では呼吸から失われる水分も多く、汗をかいていないように見えても体内の水分は確実に減少しています。冬場のランニングでも脱水症状は起こります。
カフェインやアルコールの影響
走る前にコーヒーを飲む方も多いですが、カフェインには利尿作用があります。大量に摂取すると尿として水分が排出されやすくなるため、カフェイン摂取量には注意が必要です。もちろんアルコールも利尿作用が強いため、前日の飲酒は脱水リスクを高めます。

正しい水分補給のタイミングと量
脱水症状を防ぐには、走る前・走っている最中・走った後の3段階で計画的に水分を補給することが重要です。
走る前の水分補給
ランニング開始の30分〜1時間前にコップ1〜2杯(200〜400ml)の水分を摂ることが推奨されています。一度に大量に飲むと胃に負担がかかるので、少量ずつこまめに飲みましょう。
毎回ペットボトルを買うと費用がかさむので、粉末タイプのスポーツドリンクを常備しておくランナーも多くいます。自分で濃さを調整できるのも使いやすい点です。
走っている最中の水分補給
目安として15〜20分ごとに150〜200ml程度の水分を補給するのが効果的です。ただし、これはあくまで目安で、気温や発汗量、個人差によって適切な量は変わります。最近では「喉の渇きに応じた水分補給」を推奨する専門家も増えています(参考:スポーツナビ マラソンの脱水予防)。
走った後の水分補給
走り終えた後も水分補給は重要です。走る前と走った後の体重差を測ると、失われた水分量がわかります。体重1kgの減少につき約1リットルの水分を補給するのが目安です。
水分補給の目安まとめ
・走る前:30分〜1時間前に200〜400ml
・走っている間:15〜20分ごとに150〜200ml
・走った後:体重減少分を目安に補給
・日常的に:1日1.5〜2リットルを意識
何を飲むべき?ドリンクの選び方
水とスポーツドリンクの使い分け
30分以内の短いランニングであれば水だけで十分です。しかし、1時間以上のランニングや大量に汗をかく場合は、電解質を含むスポーツドリンクが適しています。汗と一緒にナトリウムなどのミネラルが失われるため、水だけでは補えない場合があるからです。
経口補水液の活用
脱水症状が出始めている場合は、スポーツドリンクよりも電解質濃度の高い経口補水液が効果的です。ただし、予防的に日常的に飲むものではなく、脱水の兆候がある時や大量発汗後の回復用として使いましょう。
ペットボトルタイプのほか、粉末やゼリータイプもあります。夏場に何本か常備しておくと、いざというときに慌てずに済みます。
飲み物の温度
ドリンクの温度は5〜15℃の冷たさを感じる程度が好ましいとされています。冷たすぎると胃腸に負担がかかりますが、適度に冷たいドリンクは体の内部を冷却する効果もあり、吸収も早いとされています。
「水の飲みすぎ」にも注意!低ナトリウム血症とは
脱水を恐れるあまり水を飲みすぎてしまうのも危険です。過剰な水分摂取は「低ナトリウム血症(水中毒)」を引き起こす可能性があります。
低ナトリウム血症とは、血液中のナトリウム濃度が異常に低下した状態で、頭痛・吐き気・混乱・けいれんなどの症状が現れます。マラソン大会などでは実際にこの症状で搬送されるランナーもいます。
低ナトリウム血症を防ぐために
・水だけを大量に飲まない(電解質も一緒に摂る)
・「喉の渇き」のサインを無視して無理に飲まない
・体重が走る前より増えているほど飲まない
・長時間のランニングではスポーツドリンクを活用する

季節別の脱水対策ポイント
夏場(6〜9月)
気温・湿度ともに高い夏場は脱水リスクが最も高い時期です。早朝や夕方など気温が比較的低い時間帯に走ること、日陰の多いコースを選ぶこと、そして通常より多めの水分を携帯することが大切です。
冬場(12〜2月)
冬は空気の乾燥が著しく、呼吸からの水分損失が増加します。喉の渇きを感じにくいので、時間を決めて定期的に水分を摂る習慣をつけましょう。温かいスポーツドリンクを保温ボトルに入れて携帯するのも効果的です。
保温ボトルは容量が小さいほど軽く、走りながらでも持ちやすくなります。冬のランニング用には小容量タイプを1本用意しておくと便利です。
梅雨・秋(高湿度期)
湿度が高いと汗が蒸発しにくくなり、体温調節がうまくいかなくなります。体温が上がりすぎると発汗量がさらに増え、脱水のリスクが高まります。湿度が高い日はペースを落として走りましょう。
脱水症状が出たときの応急対処
ランニング中に脱水症状の兆候を感じたら、すぐに以下の対応を取ってください。
- 走るのをやめ、日陰や涼しい場所に移動する
- スポーツドリンクや経口補水液を少量ずつ飲む
- 体を冷やす(首・脇の下・太ももの付け根を冷却)
- 衣服を緩めて体温を下げやすくする
- 症状が改善しない場合はすぐに119番通報
頭痛・めまい・吐き気がある場合は中等度以上の脱水が疑われます。無理に走り続けると熱中症に進行する危険性があるため、迷わず休憩してください(参考:アルペン ランニング時の水分補給)。
水分補給に役立つアイテム
ランニング用ボトル
手に持って走れるハンドボトルや、ウエストベルトに装着できるボトルポーチが定番です。軽量で走行中にも飲みやすい設計のものを選びましょう。
ハイドレーションベスト
長距離のランニングやトレイルランニングでは、背中にハイドレーションパック(水袋)を背負えるベスト型がおすすめです。チューブから手を使わずに水が飲めるので、ペースを崩さずに補給できます。
容量やポケットの配置でモデルが分かれます。どのくらいの距離を走るかを決めてから選ぶと絞り込みやすくなります。
塩タブレット・電解質タブレット
水に溶かして電解質を補給できるタブレットは携帯に便利です。長時間のランニングやレースで重宝します(参考:グリコ 脱水症の対策)。

Q&A:ランニングと脱水症状に関するよくある質問
Q. 走る前にどれくらい水を飲むべき?
A. 走り始める30分〜1時間前に200〜400ml程度を少しずつ飲むのが目安です。直前に大量に飲むと胃にたまって走りにくくなるので避けましょう。
Q. 走っている途中で水がなくなったらどうする?
A. コンビニや自動販売機、公園の水飲み場をコースに組み込んでおくと安心です。特に夏場は水切れのリスクがあるので、給水ポイントのあるコースを事前に確認しておきましょう。
Q. 尿の色で脱水がわかる?
A. 簡易的な判断指標として有効です。薄い黄色なら十分な水分量、濃い黄色〜琥珀色なら水分不足のサインです。走る前にトイレで確認する習慣をつけると良いでしょう。
まとめ:計画的な水分補給で安全にランニングを楽しもう
- 走る前・走っている間・走った後の3段階で計画的に水分補給する
- 1時間以上のランニングではスポーツドリンクで電解質も補給する
- 冬場でも脱水は起きる。喉が渇いていなくても定期的に水分を摂る
- 水の飲みすぎ(低ナトリウム血症)にも注意する
- 脱水の兆候を感じたらすぐに走るのをやめて対処する
正しい水分補給の知識があれば、脱水症状を未然に防ぐことができます。季節や距離に合わせた補給計画を立てて、安全にランニングを楽しみましょう。
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