マラソン大会で給水しようとしたら、紙コップの中身がほとんどこぼれてしまった――そんな経験を持つランナーは少なくないだろう。走りながらの給水は意外と難しく、コツを知らないと毎回びしょ濡れになってしまう。
この記事では、マラソンの給水でこぼさないためのテクニックを、紙コップの取り方・持ち方・飲み方に分けて解説する。次のレースからスマートに給水できるようになろう。

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紙コップの正しい取り方
真上からつかむ
紙コップは横から取るのではなく、真上から手をかぶせるようにつかむのが鉄則だ。横から手を伸ばすとコップに横方向の力がかかり、中身がこぼれたりコップが倒れたりする原因になる。
親指と人差し指・中指で、コップの上部(飲み口)を軽くつまむようにすると安定する。力を入れすぎるとコップがつぶれて中身が溢れるため、ソフトなタッチで取ろう。
ボランティアスタッフから手渡しで受け取る
多くの大会では、ボランティアスタッフがコップを手に持って差し出してくれる。テーブルから自分で取るよりもスタッフの手渡しの方が安定して受け取れるため、できるだけ手渡しを利用しよう。アイコンタクトを取り、スタッフに自分が受け取ることを示すとスムーズだ。
こぼさないための持ち方
飲み口をつぶして縦長にする
コップを取ったら、すぐに飲み口の片側をつまんで折りたたみ、縦長の形にしよう。丸い形のままだと走行の振動で水面が波立ち、すぐにこぼれてしまう。縦長にすることで水の揺れが抑えられ、飲みやすくもなる。
この折りたたみ方は、家で紙コップに水を入れて何度か試しておくと感覚がつかめる。大会で配られるのと同じ紙コップは安価にまとめ買いできるので、練習用に用意しておくと本番で迷わない。
腕を脱力して振り子のように持つ
コップを手に取った後、腕をガチガチに固めて持つとかえって振動が伝わりやすい。肘を軽く曲げて腕全体をリラックスさせ、コップが自然に揺れるのを許容すると、遠心力の作用で中身がこぼれにくくなる。
走りながら飲むテクニック
ペースを落として飲む
給水エリアでは少しペースを落とすのが基本だ。全速力で走りながら飲もうとすると、呼吸と飲水のタイミングが合わず、むせたりこぼしたりする。タイムロスは5〜10秒程度なので、確実に水分を補給できる方がはるかに大きなメリットがある。
数回に分けて少しずつ飲む
一口で全部飲もうとするのは失敗の元だ。小さな一口を2〜3回に分けて、呼吸の合間に飲むのがコツだ。息を吐いた直後に口に含むと、気管に入りにくくなる。
呼吸のリズムに合わせる
走りながら飲むときは、呼吸のリズムと給水のタイミングを合わせることが重要だ。「吸って、吸って、吐いて」のリズムで走っているなら、「吐いて」のタイミングで口に水を含む。息を吸いながら飲むとむせるリスクが高い。


給水テーブルでの立ち位置と動線
テーブルの中盤〜後半を狙う
給水テーブルの前半はランナーが集中しやすく、混雑していることが多い。テーブルの中盤〜後半なら比較的空いていて、落ち着いてコップを取ることができる。
コースの端に寄って給水する
給水する際は、コースの端(テーブル側)に寄ってからアプローチしよう。コースの真ん中を走ったまま急にテーブルに向かうと、他のランナーとの接触事故の原因になる。
飲み終わったらコースに戻る
給水後はテーブル横に立ち止まらず、速やかにコースに戻ろう。後続ランナーの給水を妨げないためのマナーでもある。
練習で給水テクニックを磨く方法
ロング走の給水ポイントで練習する
ロング走の途中に自動販売機やコンビニで水を購入し、走りながら飲む練習をしよう。紙コップに水を入れて実際にレース同様の動作を練習するのも効果的だ。
毎回買うのが面倒なら、ハンドボトルを1本持って走るのが手軽だ。走りながら口に運ぶ動作そのものを繰り返し練習できる。
手渡し給水の練習
仲間やサポーターに協力してもらい、走りながらコップを受け取る練習をするのも良い。手を出すタイミングやスピード感を体で覚えておくと、本番で焦らずに済む。
こんなときどうする?給水トラブル対処法
- コップを取り損ねた場合:焦らず次のコップを取ろう。テーブルは長いので、チャンスは複数回ある
- ほとんどこぼれてしまった場合:残った少量でも口を潤すだけで効果はある。次の給水所でしっかり補給しよう
- コップが空だった場合:テーブルの後方にはまだ残っていることが多い。先のテーブルで取り直そう
- むせてしまった場合:無理に走り続けずペースを落として呼吸を整えよう。咳が収まってから再加速する
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マイボトルで給水する選択肢
紙コップでの給水にどうしても慣れない場合は、マイボトルを持参するのも選択肢だ。ハンドボトルやランニングベルトに小型ボトルをセットしておけば、好きなタイミングで自分のペースで飲める。
マイボトルは給水所での補充も可能な大会が多いため、レース前に大会ルールを確認しておこう。
手に持つのが気になる人は、腰に巻くタイプの給水ベルトを使う手もある。小型ボトルを差しておけば、腕振りを止めずに給水できる。


給水時のランニングフォームのコツ
片手で走るときのバランス
コップを持った側の腕は脱力し、反対側の腕で通常どおりの腕振りを行うことでバランスを保とう。両手にコップを持つと腕振りが全くできなくなり、走行バランスが崩れるため、基本的には片手に1つだけコップを持つのがベストだ。
歩幅を小さくして安定性を確保する
飲んでいる間は歩幅を少し小さくすると、上下動が減って水がこぼれにくくなる。ペースを落とすときにストライドも自然と短くなるが、意識的に小さな歩幅で走ると更に安定する。
レベル別の給水スタイル
初心者:立ち止まって飲む
初マラソンや給水に慣れていないランナーは、テーブルの先で立ち止まってから落ち着いて飲む方法が安全で確実だ。タイムロスを気にするよりも、確実に水分を体に入れることを優先しよう。
中級者:ペースを落として走りながら飲む
ある程度給水に慣れてきたら、ペースを1kmあたり20〜30秒程度落として走りながら飲むことに挑戦しよう。コップの飲み口をつぶすテクニックを使えば、かなりスムーズに給水できるようになる。
上級者:ほぼペースを落とさず給水
上級者は最小限のペースダウンで素早く給水するスキルを持っている。ボランティアスタッフとの連携で手渡し給水をスムーズに行い、数歩で飲み終えてすぐにペースに戻る。ここまでくるには相当な練習が必要だ。
よくある質問(Q&A)
Q. 紙コップの水が少なすぎる場合はどうすべきですか?
テーブルの後方にあるコップは水量が多いことが多い。先頭付近のコップは他のランナーが触って少なくなっていることがあるため、テーブル後方のコップを狙うのも戦略の一つだ。
Q. 走りながら飲むとむせてしまいます。対策はありますか?
息を吐いた直後のタイミングで口に水を含むことが最大のコツだ。また、一口の量を減らして少しずつ飲むこと、そしてペースを十分に落とすことで、むせるリスクを大幅に減らせる。練習のジョグ中にマイボトルで繰り返し練習するのが効果的だ。
まとめ
マラソンの給水でこぼさないためのポイントは、紙コップを真上からつかみ、飲み口をつぶして縦長にすること。走りながら飲むときは少しペースを落とし、呼吸のリズムに合わせて数回に分けて飲むのがコツだ。
テーブルの中盤〜後半で取る、コースの端に寄って給水するなどの動線の工夫も重要だ。事前のロング走で給水テクニックを練習しておけば、レース本番で慌てることなくスムーズに水分補給ができるようになる。
参考サイト:MYREVO「マラソンの給水・正しいやり方」、RUN HACK「マラソンの給水で失敗しない方法」、42.195km「エイドでの給水テクニック」
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